安倍晋三首相は5月4日18時から記者会見を行い、当初6日を期限としていた緊急事態宣言について、対象地域は全国47都道府県としたままで、今月末の31日まで延長することを決定した、と発表。新たな感染者数が減少傾向に転じて一定の効果が出ている一方で、医療提供体制は厳しい状況が続いているための措置、としている。また5月14日を目途に評価を行い、地域によっては任期満了を待たずに解除になることもある、とした。
重点的な対策が必要な「特定警戒都道府県(北海道・東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・愛知県・岐阜県・石川県・大阪府・兵庫県・京都府・福岡県)」は、13都道府県のまま、現時点での入替はしなかった。
「特定警戒都道府県」では、新たに「博物館」「美術館」「図書館」などは感染予防策を条件に再開可能となる一方、外出自粛や休業要請など原則、従来通りの措置を続ける。パチンコ店への休業要請も継続される見込みだ。
「特定警戒都道府県」以外では、「県外移動」をはじめ「接客を伴う飲食店」「ライブハウス」など「3つの密」に限定して自粛要請を行いながら、段階的に移行する、とした。ただし「休業要請の対象業種」については今後、各都道府県が実情により判断することになる。現時点でパチンコ店に対しては、徳島県と高知県、岡山県では特措法に基づく休業要請がされていない(岡山県は県独自の要請あり)が、13の特定警戒都道府県以外の県で延長されるかどうかは今後、各自治体の判断に委ねることとなった。
特措法の法改正については、強制力を伴わない現行の中でも営業している店は一割以下だとし、どうしても必要な事態が生じれば罰則規定の付加も含め検討するが、現時点では国民の皆様の協力を得ながら自治体と進めていきたい、と現時点での法改正は否定した。
緊急事態宣言の延長については、特定警戒都道府県にあたる大阪府遊技業協同組合では5月2日に「大阪府知事からの休業延長要請の対応について(通知)」と題する文書を組合員に発出。府内で休業要請以降も営業を続けた一部の非組合員ホールに触れ、「今回の延長要請に応じない場合は、これまで以上に一層厳しいバッシングを受ける対象になる」との懸念を示し、組合として休業要請の方針を継続するとしている。
一方、特定警戒都道府県から外れた地域にあたる栃木県遊技業協同組合は、1日に県庁を訪れ、福田富一知事にパチンコ店を休業要請の対象業種から外すよう訴え、要望書を提出したと各媒体が報じた。現時点で栃木県内はパチンコ全店が休業要請に応じているが「緊急事態宣言の期間が延長になれば、廃業となる店も出てくる。店では感染防止策をとっており全国的にクラスター(感染者集団)が発生した事例はない」として除外する判断をお願いしたという。