ぱちんこ広告協議会(以下PAAと略)は、2月20日にホテルグリーンパーク津(三重県津市)で開催された三重県遊協(権田清理事長)主催の「経営者・ホール責任者研修会総会」でのギャンブル等依存問題勉強会に開催協力した。
開会にあたり権田理事長より「IRについての議論が進むにつれ、会員企業のギャンブル等依存問題に対する知識や地域連携の必要性への理解を深めていくことの重要性が高まったため」と当勉強会の目的が語られた。続いてPAA大島理事長が挨拶に立ち「三重県遊協様には、PAAの『ぱちんこ業界における広告・宣伝ガイドラン』への深いご理解をいただき早くからご協力をいただいていた。広告と依存問題は一見関りが薄いようにも見えるが、一般社会への情報伝播への責任もあり、会員間でも勉強会などを開催していた。昨今では業界や一般の方に向けても発信する必要性を感じていたところ、このように県遊協様向け勉強会開催に発展した。感謝申し上げたい」と述べた。また、来賓には三重県警察本部生活安全部・西堀浩一首席参事官が出席した。
研修会は二部制で行われ、第一部では、三重県警察本部生活安全部生活安全企画課・奥野圭子課長補佐が「ぱちんこ営業の適正化等について」講演した。
第二部では、特定非営利活動法人三重ダルク代表の市川岳氏が 「アディクション進行プロセスと回復支援」について、㈱マルハン/リカバリーサポート・ネットワーク企業研修生の中村一也氏が 「リカバリーサポート・ネットワークの相談研修から見えてきたこと」について、それぞれ講演した。
精神保健福祉士、保護司でもある市川氏は、1999年、三重県津市に三重ダルクを開設し、現在、京都精華大学の非常勤講師として勤める傍ら立命館大学大学院で学ぶなど研究を進めている。三重ダルクではアディクション(依存、のめりこみ等)進行のプロセスを明らかにし、心の回復を支援する活動を続けている。「暮らす」の場、「出会う」の場、「見つける」機会の提供を行い、各人の可能性発揮を促すとともに、サポートするスタッフ育成にも注力してきた。2020年は日本の依存症時代が始まることを懸念しており、新たなアプローチの必要性を感じ準備を進めていると語った。
中村一也氏は、2019年8月から2020年1月までの5か月間をRSN企業研修生として参加し、約400件の電話対応を行った。依存問題を取り巻く現状や施策、RSNの役割と考え方や企業研修の内容、電話相談から浮かび上がる依存の実態など、経験から学んだリアルな実態を研修会参加者と共有した。そして、今後も「お客様を守ること」がホール事業者の最善の対策であり、スタッフができること、お客様ご自身でできること、そして地域連携による多様な支援の必要性と重要性を理解し行動することで、社会のなかでの役割を担っていくことに繋がるのではないか、とまとめた。