兼次民喜氏が理事長に就任/日電協

日電協は6月14日、都内千代田区のパレスホテルで令和元年度通常総会を開催した。役員改選の結果、佐野慎一氏に代わり、新理事長には兼次民喜氏が就任した。

冒頭、本総会をもって理事長を退任する佐野慎一氏が挨拶。「私は4年間、理事長をやらせて頂いた。この間、IRの影響もあり規則が変わった。こんなに射幸性が下りるとは我々も思っていなかった。この1年を振り返ると、全く商売になっていないし、射幸性の低い機械を売るにしても許可が下りない絶望的な状況に置かれている。今の状況が変わらないと本当に酷いことになる。次期理事長を組合が全面的にバックアップし、希望を持って進むべきだ」と述べ、後任に状況の改善を託した。

総会での役員改選を経て、新理事長には兼次民喜氏が就任した。記者会見で抱負を聞かれた兼次理事長は「低迷している適合率を向上させ、より多くの回胴式遊技機を市場に供給することに尽きる」と述べ、今年秋から冬に約20万台の認定切れパチスロ機が撤去を控えていることについては「タイムリミットがきている」と危機感を募らせた。

さらに兼次理事長は「規則改正後、業界の環境が一変し、(関係者が)喘いでいる」状況に言及。「今後、こういったことを繰り返さないためにも、行政にもより突っ込んだスタンスで相談を申し上げられる機会を作っていきたい。全ての遊技産業の商環境を正しい方向に改めるための一助になるべく全力で頑張っていく」と意気込みを語った。

平成30年度(平成30年4月~平成31年3月)に日電協が発給した証紙の枚数は33万6,305枚。前年度の40万9,988枚に比べると、約18%(73,683枚)減少する結果となった。証紙の発給枚数は、組合加盟メーカーにおける新台パチスロ機の出荷台数を示すため、枚数の減少はそのままパチスロ市場の厳しさを表している。

同組合では令和元年度の事業方針として下記3点を掲げた。
・遊技産業を取り巻く状況に適合した遊技機の開発と環境整備
・健全化・セキュリティ対策の推進
・依存問題等に対する取り組み

上記1に関連することとして同組合では、メダルレス遊技機の実現に向けた積極的な取り組みを行っている。進捗の状況について、同組合の岩堀和男副理事長(技術委員会委員長)は「今年の2月~3月にかけて、ホール5団体に、出玉情報を管理する項目と全体の仕組みを説明した。2021年の春のリリースを想定し、逆算すると今年の年末には各社が開発できる環境を整えたい。ただ現状、警察庁と技術的に詰めなければならないことが数点あり、できる限り早く話を詰めていく。ユニットはメダルレスと管理遊技機、共通で使えるものを日工組と一緒に進めている」と話した。

なお当日、決まった新役員一覧は下記の通りとなる。

◆新役員一覧(※敬称略)

理事長 兼次 民喜
筆頭副理事長 小林 友也
副理事長 片田 富穂
岩堀 和男
専務理事 飯島 久司
常務理事 平野 薫美
理事 国本 籍雄
吉国 純生
信田 裕一郎
國吉 和宏
大泉 秀治
監事 沖田 勝典
相談役 里見 治
石原 昌幸
佐野 慎一

兼次民喜理事長

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