【コラム】環境が人を育てる 前編/CRAナカムラ

CRAナカムラのぱちんこ泰然自若㊹
はい皆様、コンニチワッ!東北で吠える銀玉オヤジこと、CRAナカムラでございます!さてさて、今回は本業がクソ忙しいので「おもひで」に逃げようと思いますww

元々ボクってけっこう人見知りで、あんまり度胸のある方でも無かったんですが、関西の某治安が最底辺地域で初めて店長になってムリヤリ色んなトラブルを処理していくうちに、人格と外見が勝手にコワモテ方向へシフトしていっちゃうんですよ、不思議と。そんなハナシをちょいとしてみましょうか。

今から十数年前、前職のスロ専(職位は副店長)を辞めて次に見つけた先は隣県のパチンコ併設店。地名を聞いただけで地元民なら「あーあそこか…」となるくらい治安はよろしくない場所なんだが、離婚して家を出たばかりで住む場所さえもままならないナカムラは、寮付き・3食付き・職位の上には社長しかいないという3拍子揃った夢の職場の面接に行く。

面接自体は30分もかからず、60歳前後で白髪混じりの社長から「ん。じゃ、いつから来れる?」とバイト採用並みの即決をもらって「今日からでもww」と答えると、数秒間を置いて「おー、ホンマか!そしたら一番奥の広い部屋に入り!キッチリ掃除も終わってるで!仕事は明日からでいいから!」と神様のようなお言葉。

この当時のナカムラの状況を説明すると、離婚と同時に前職を辞めて寮付きの店を探していたはイイが自分の財産はほぼ無くて、何とか持ち出したノートパソコンと着替えが数セット、頼み込んで1ヶ月だけ使わせてもらう許可が出た車とポケットの中の3,000円が全て。もう完全に浮浪者一歩手前…いや0.5歩手前か。この面接を受けるまでのガソリン代と細々とした食事、そして面接前に行った銭湯で残金はほぼゼロ。ちなみにまともなメシは3日ほど食べてない状態。

状況的に「死」という言葉がリアルに感じられる中、驚くほど簡単に面接をパスして「やったー!今日は布団で寝れる!」と意気込んで部屋に入ると、そこは新しい畳が敷かれた8畳間くらい×2の十分過ぎる広さ&冷暖房テレビ風呂トイレ完備!この時は本当に「生き延びれる」と思いましたね。

で、部屋で感慨に浸っている間も無く襲ってくるのは空腹で「仕事は明日からだからメシも明日からだよなー…」と凹んで寝転がっていると、コンコン!とドアをノックされ、出てみるとオバチャンというかお婆ちゃんがニコニコしながら「ワタシここの食堂任されてるのよ、新しい店長さんでしょ?今日はご飯食べない?」と仰るではありませんかっ!

引きちぎれるぐらい首を縦に振って、半ばスキップしながら食堂へ到着すると、熱々の白ごはんと唐揚げや焼き魚が「こんなに食えるかっ!」ってくらい出てきて、それに添えてあったのが豆腐とわかめのみそ汁。

これが本当に美味くて、不覚にも泣いてしまったんですよね、それもけっこう号泣。涙と鼻水を垂らしながら「美味いッス美味いッス」を繰り返す挙動不審全開の新店長に釣られて何故かオバチャンも号泣ww察してくれたんでしょうね。

後日、その様子を密かに目撃していた社員から「オバチャンが生き別れた息子と奇跡の再会したのかと思ったww」と揶揄されたのだった。

後編につづく。

■プロフィール
CRAナカムラ
奈良・愛知・岐阜・広島で店長職を10年歴任。その後、大阪の某チェーン店で統括営業本部長職を経て独立。常に打ち手目線を持ちつつ…と言えば聞こえはいいが、この男自身パチンコするのが三度のメシより好きという重症患者。

※本稿は過去に本誌に掲載した記事を、一部、WEBサイト用に編集した上で掲載しております。

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