㈱オーイズミ(大泉秀治代表取締役社長)は12月4日、同社及び医療法人社団やまゆり会と㈱アビックの間で争われていた訴訟の和解を発表した。これにより、㈱オーイズミによる認知症治療専門病院建設予定地の所有権移転請求仮登記が法的に有効となった。
㈱オーイズミでは、平成24年6月の定時株主総会で定款変更を行い、福祉介護事業に参入することを正式に決定。その具体的案件として、神奈川県厚木市内の大学跡地で、認知症専門病院、通所介護施設などの福祉関連事業を展開する予定としていた。このうち、認知症専門病院については、医療法人社団やまゆり会(当時の法人名は医療法人社団永潤会)と連携することとし、事業推進の一環として、医療法人社団やまゆり会の土地の所有権を取得する手続きを進めていた。
この㈱オーイズミの土地所有権の移転仮登記に対し、平成25年7月、医療法人社団やまゆり会の保証債権を持つ㈱アビックが詐害行為に当たるとして、仮登記の抹消請求について提訴。平成27年5月には、横浜地方裁判所小田原支部が、仮登記の抹消を命ずる判決を下した。
その後、㈱オーイズミと医療法人社団やまゆり会側が、東京高等裁判所に原判決の事実認定に重大な誤りがあるとして控訴し、これまでに至る。
このような経緯のなか、平成27年12月3日、㈱オーイズミ及び医療法人社団やまゆり会側と㈱アビックとの間で全面和解が成立。前述した通り、㈱オーイズミによる当該土地の所有権移転請求仮登記が法的に有効となった。なお和解の内容は明らかにされていない。