㈱ユニバーサルエンターテインメント(富士本淳代表取締役社長)は6月8日、同社の香港法人Tiger Resort Asia Limited(以下、TRA社)から約20億円が不正に流出した疑いがあることを受け、調査を行うために外部専門家から構成される特別調査委員会を設置すると発表した。
同日発信されたリリースによると、今年5月23日開催の臨時取締役会において、岡田和生取締役会長及び根岸良直取締役管理本部長が平成27年3月に実施したTRA社から第三者への1億3,500万香港ドル(現在の為替レートで約19億1,700万円)の貸付けについて、適正な社内決裁を経ていないなど、不正な行為が行われたおそれがあることが報告された。
これを受け、岡田会長及び根岸取締役の同社、同社子会社及び同社関連会社における全ての業務執行権限及び命令権を停止するとともに、外部専門家を交えた社内調査チームを設置し、調査を進めていたところ、その貸付けは同社の社内手続に違反するものであり、さらに第三者の関係者がその後に1億3,000万香港ドルを岡田会長が当時取締役(Director)を務めていたOkada Holdings Limitedに送金していること等から、貸付けの目的が岡田会長個人の利得を図る点にあった疑いがあることが判明した。
同社は、この件についてその他事案の有無も含め専門的かつ客観的な見地から徹底した調査を行い、全容を解明するとともに、再発防止策を策定することを目的として、外部専門家3名から構成される特別調査委員会を設置することを決定。特別調査委員会は6月30日を目途に中間調査報告書を提出する予定となっている。
なお、同社は「現時点において判明しているTRA社から流出した資金額は約20億円であり、仮にこれが不正な資金流出であったとしても、当該資金の回収の目処はついているため、当社に当該資金が回収できないことによる損失は生じず、業績への影響はない」との見解を示している。