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パチンコ釘問題など、行政講話/警察庁保安課・小柳課長

投稿日:2016年1月26日 更新日:

円滑に適正な遊技機に入れ替えていくうえで、必要があれば、新たな遊技機の製造に関し、当該遊技機が実際の営業に資することとなるよう、営業者から製造業者に意見を発する場を設けていくことも視野に入れながら、可能な限り円滑に撤去・入替を進めていただきたいと思います。

日工組としても、今後の遊技機開発にあたり、くぎの変更による性能の違いが起こらない遊技機づくりを目指しており、性能の違いがあれば営業所においても簡単に把握できるよう、検定機の性能に関する情報を提供することを検討していると承知しておりますが、取組を有効に機能させるため、各営業者においても、新たな遊技機の設置以降はくぎの問題を再び生じさせないとの意識を持っていただきたいと思います。

また、撤去対象遊技機を新たに営業所に導入する場合や、部品交換をする場合の変更承認申請については、製造業者や販売業者により、改めて検定機と同一であるとの保証をしてもらう必要がありますが、当該遊技機は検定機と性能が異なる可能性のある遊技機であるため、性能の確認を行い、必要があれば、改修、部品交換等を経て検定機と同様の構造・性能に戻す作業が必要となると承知しております。

その点、関係業界団体で構成する中古機流通協議会では、先日開催された会議において、流通の健全化を厳格に行う趣旨から、撤去対象遊技機に関する保証書の取扱いについて、日工組の通知以降については保証書を発行すべきではないとの判断をしていただいたところであります。

したがって、撤去対象遊技機に関し、日工組から通知を受けた以降は、中古機として流通させない、すなわち、各都道府県公安委員会に変更承認申請や認定申請をすることのないよう、ご注意いただきたいと思います。

全日遊連におかれては、以上の留意事項を各営業者に正しく理解していただくよう、各営業者に周知徹底を図ることはもとより、この機会を好機と捉え、くぎの問題の解決に向けて積極的に尽力されることを期待いたします。

・遊技機の流通における業務の健全化
次に、遊技機の流通における業務の健全化についてお話しします。

昨年の講話でもお話しした通り、遊技機の設置や部品交換に伴う手続において、製造業者が作成する保証書に関し杜撰な取扱いが立て続けに判明していることに加え、依然として不正に改造された遊技機が営業所に設置される事案も発生していることから、当庁から製造業者団体に対し、遊技機が各営業所に流通する過程においても型式の同一性が担保される制度の構築と、その運用に関するルールの明文化を要請し、現在、製造業者団体において作成した、製造業者の保証の責任を明らかにする規程や、運送業務等を委託する業者の選定基準等を定めた規程について、全日遊連を含め関係団体に対し製造業者団体から説明を実施したのは、ご承知のとおりです。

この規定に基づいた運用により、営業所に設置された遊技機について、厳格な点検確認を製造業者等が実施することになるなど、営業者からすると負担となることもあるかと思いますが、遊技機の流通における健全化が一層図られるものでありますので、是非ともその趣旨をご理解のうえ、製造業者による保証の新たな制度設計とその運用に賛同していただくとともに、営業者としても、遊技機の流通の健全化の一翼を担っていることを改めて認識していただきたいと思います。

そのために、今一度風営適正化法令の規制やその趣旨の理解を求めておきたいと思います。遊技機を営業所に設置する際や、営業所に設置された遊技機の部品を交換する際には、都道府県公安委員会に変更承認申請をする必要がありますが、この趣旨の大きな一つは、変更に係る当該遊技機が適正な遊技機、つまり、検定を受けた型式に属するものであるかを確認することにあります。

その確認手段の一つが、製造業者等が作成する保証書であり、その保証書を信用するからこそ、変更承認申請を受けた都道府県公安委員会が承認できるものであります。その信用が揺らいでいる状況を改善するために、今回の製造業者団体による流通健全化のルールを明文化したもので、今回の取組により一層ぱちんこ営業の健全化が図られるものとご理解をいただきたいと思います。

特に、新たな制度のうち、製造業者の保証に係る一部の業務については、一定の範囲に限定して営業者にも製造業者が委託をすることを認める規定となっておりますが、当該業務は、製造業者の名義に基づいて行われる業務であることに留意していただきたいと思います。

仮に業務に瑕疵があった場合等には、営業所の作業者が関係規程に反する行為として責任を負うほか、当該保証を行った製造業者の信用を営業所の作業者が傷つけることとなりますので、当該業務の重要性を十分にご理解いただく必要があります。

また、この保証に係る制度運用を厳格に実施することは、射幸性の適正管理の実現につながるという意味で、くぎの問題と無関係ではありません。本年4月以降に初めて新台として設置された型式遊技機については、くぎに関する部品交換の際、変更承認申請に係る保証書の担保として、くぎの状態が検定機と同一かどうかの点検確認を製造業者が1台1台実施する予定であると日工組から聞いております。

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