パチンコ、パチスロ業界ニュース

『遊技日本』

パチンコ釘問題など、行政講話/警察庁保安課・小柳課長

投稿日:2016年1月26日 更新日:

皆様には、射幸性の抑制に向けた取組を成功に導くため、是非とも業界をリードしていただき、営業所に足を運ぶ遊技客が、「最近のぱちんこは射幸性が落ちて、手軽に楽しく遊べるようになった」と実感できるような状況を実現させることを期待しております。

・のめり込み問題対策
次に、いわゆるのめり込み問題を抱えている方への対策について3点お話しします。

1点目は、昨年、21世紀会として策定された「ぱちんこ店における依存(のめり込み)問題対応ガイドライン」及び「同運用マニュアル」についてです。

ぱちんこ店におけるのめり込み問題については、遊技を提供する立場にある業界において自ら積極的に取り組むべき課題として受け止めた上で、その対策の検討や実行が進められていくことが重要だと認識しておりますが、のめり込み問題に対する対応マニュアル等が速やかに策定されたということについては、業界の健全化に一定の成果を収めたものと頼もしく感じております。

今後は、このガイドライン等がいかに現場で有効に運用されるかが重要であると考えています。実際にガイドライン等を運用していく営業者の皆様への指導教育を今後も継続して実施していただくことに加え、必要があれば、ガイドライン等をさらに実践的なもの、効果的なものに改訂していくことも視野に入れるなど、今後とも適切なフォローアップを実施していただきたいと思います。

これらの取組の目的は、のめり込んだ人が抱える問題の解決に寄与するとともに、その家族を始めとする関係者の方々の理解を得ることでもあると思いますので、その目的に適った運用となることを期待しております。

2点目は、ぱちんこののめり込み問題を抱えている方やそのご家族との相談に対応する機関として、全日遊連の支援で設立され、現在では業界全体で支援している「認定特定非営利活動法人リカバリーサポート・ネットワーク」についてです。

リカバリーサポート・ネットワークでは、平成18年4月の設立以来、約1万8千件の相談に対応しているとのことであり、のめり込みに起因する問題の解決に向けた糸口となるべく、適切に精神保健福祉センターや相互援助グループ等を紹介するなど、有益な取組が継続して実施されていると認識しております。

また、昨年8月には、全国遊技機商業協同組合連合会において、リカバリーサポートネットワーク支援室を立ち上げ、相談業務の負担軽減に寄与していると聞いており、のめり込み問題への取組の重要性が業界の中でも浸透してきたとして、大変心強く感じております。

全日遊連におかれても、ホームページへの掲載や各組合員の店舗において、リカバリーサポート・ネットワークの広報ポスターを掲示する等の広報啓発活動を進めておりますが、引き続き、注意喚起・広報啓発の取組を継続するとともに、リカバリーサポート・ネットワークを始めとする団体への支援を拡大するなど、のめり込み問題に悩み苦しむ人々に十分な対応が行き届くよう、更なる取組に期待しております。

3点目は児童の車内放置事案防止についてです。

全日遊連におかれては、毎年5月から10月にかけての期間及び年末年始を「子ども事故防止強化期間」として、組合員に対して広報啓発を行っていると承知しております。

昨年中も、スモークフィルムが貼られた車内を懐中電灯により綿密に点検を行ったことにより児童を発見したケースや、駐車場外の周辺道路に駐車された車内を点検したことにより児童を発見したケースなど、痛ましい事故を防ごうとするホール従業員の積極的な姿勢が窺われ、その甲斐もあり、昨年中の死亡事故は認められなかったところであります。

一方で、この車内放置事案防止対策がなければ死亡事故が多発する可能性があるという厳しい現状が続いていることもまた事実であります。

本年にありましても、変わらぬ積極的な防止活動をお願いするとともに、活動マニュアルが形骸化している店舗がないかどうか、運用実態の再確認を徹底するほか、必要に応じて、児童の同乗車両が駐車場に入場することを断る措置を検討するなど、今後とも実効性のある取組を推進していただきたいと思います。

・遊技機の不正改造の絶無
次に、遊技機の不正改造の絶無についてお話しします。

近年の不正改造の手口は、周辺基板のロムのプログラム改ざん等を偽造ケースや偽造カシメで隠蔽するなど、ますます悪質巧妙化しております。

業界では不正改造事案に関する情報の収集やこれを活かした不正に強い遊技機づくり等の様々な取組が推進されているところであり、一定の成果を挙げていると承知しておりますが、このような悪質巧妙化している不正事案に対しては、ホール、メーカーという垣根を取り払い、事案の情報共有や有効な防止対策を業界全体で推進していただきたいと思います。また、一般社団法人遊技産業健全化推進機構の活動については、本年で10周年を迎えるとのことであり、業界の健全化に欠かせないものとして、その役割の大きさを皆様も実感しているところではないかと思います。

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