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『遊技日本』

日遊協令和3年度総会における警察庁保安課長講話

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最後に、のめり込み・依存問題について触れます。

依存問題に関しては、業界においては、既に基本計画に基づき、ぱちんこの依存防止対策に係る実施規定を制定するなどしていますが、同計画に掲げられた取組が確実に達成されるよう、引き続き積極的な取組をお願いします。

のめり込み・依存対策の根本は、皆様が営業の用に供している、ぱちんこが人を引き付ける大きな力を持つことの自覚にあります。その大きな力が故に、人によっては、遊技が過度になってしまい、負債、家庭問題等に至ることがあります。もちろん、息抜き、楽しみとして適度に遊んでいる方も多くいます。しかし、現実として問題を抱えるに至る方もいるということです。これは誰が悪いということではありません。ただ、のめり込み・依存問題で困っている本人、あるいはご家族から「店に来たら止めてほしい」と頼まれたときに、しっかり受け止め、誠実に応えることが必要です。

これをシステム的に行うのが、「自己申告・家族申告プログラム」です。現状としては、導入店舗数が未だ全体の半数程度にとどまっており、また、都道府県ごとに導入率に大きな差があります。例えば、石川県、香川県、佐賀県では、約9割の店舗で導入が進んでいる一方、導入店舗数が未だ2割程度にとどまっているところもあります。

貴協会では、その導入に尽力され、特に「本人の同意のない家族申告による入店制限」については、貴協会会員の大手ホールが全店で導入したこともあり、店舗数が大幅に増加しています。

さらに貴協会では、「本人の同意のない家族申告プログラム」について、助言機関によるサポート体制構築や事例勉強会の開催なども実施していると承知しています。

こうした業界全体を牽引する取組を引き続き推進し、「自己申告・家族申告プログラム」の更なる普及・充実と、同プログラムの実効性を高める取組を進められることを期待しています。

また、自己申告・家族申告プログラムを実効性もって担保するのが「顔認証システム」です。貴協会では、「顔認証等個人認証システムの活用に係るモデル事業勉強会」を開催し、モデル事業を実施している大手企業の取組を参考に、プログラム申告対象者の把握を容易にするための検討を行うなど、先進的な取組を実施しています。

このほか、貴協会では、会員である複数ホール経営者が、現在設置しているATMを順次撤去しているところと聞いています。

このように、のめり込み・依存問題対策でも、業界をリードする取組を打ち出しており、私どもとしても大変心強く思っています。

以上、貴協会が業界をリードし、これからもリードすることが期待されることを中心にお話させていただきました。貴協会は、業界唯一の「横断的組織」です。また、平成元年に設立されて以来、一貫して「公益性」を意識し行動してきた団体です。射幸性、のめり込み、依存といったコアな問題から、流通、販売、環境等と多岐にわたる課題について、業界内では様々な意見がある中で、「社会から見られる視点」を冷静にみて、あるべき姿を追い求めてきた歴史があります。

貴協会の旗印の一つである「社会的地位の向上」という点に関しては、業界の長年の念願であった、信用保証協会の保証、政府系金融機関の支援は、昨年5月に実現しました。国民の理解が得られるかが問題でしたが、大きなネックは、ぱちんこの射幸性でした。この点に関し、規則改正による射幸性の抑制により、理解を得ることができました。

コロナが落ち着いた後、ぱちんこ営業を取り巻く状況はどうなっているでしょうか。気晴らしをしたい反面、レジャーに使用できる金額に変化が生じているかもしれません。

今一度、広く親しまれてきたぱちんこの原点に立ち返り、新規則機を活用し、客が安く安心して遊べる新たな遊技環境を創り出していかれることを期待します。また、そうした中で、貴協会が、その特徴を活かし、引き続き、様々な視点からバランスの取れた取組を打ち出し、業界の健全化に一層ご尽力されることを大いに期待しています。

結びに、貴協会のますますの御発展と皆様方の御健勝、御多幸を心より祈念いたしまして、私の話を終わらせていただきます。

ご清聴ありがとうございました。

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