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ぱちんこへの依存防止対策など、行政講話/警察庁保安課・山田課長

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論点整理では、風営法施行規則等の改正に関するもの以外にも、ただ今述べた、今回の改正で管理者の業務に追加される依存防止対策にも関連する、

・リカバリーサポート・ネットワークの相談体制の強化及び機能拡充

・本人・家族申告によるアクセス制限の仕組みの拡充・普及

・ぱちんこ営業所における更なる依存症対策

等の課題が掲げられており、ぱちんこへの依存防止対策については、これらの課題に係る取組と改正規則とが相まって、総合的に推進されることが重要だと考えています。

論点整理に掲げられたこれらの各課題については、既に業界において積極的に取組を進めていただいていると承知しています。

「リカバリーサポート・ネットワークの相談体制の強化及び機能拡充」については、昨年11月より相談員等を増員した上で相談時間を延長するほか、ぱちんこへの依存問題を抱えている人は、経済的な問題を抱えていることが多いことから、こうした問題に対応する対面無料相談会を開始したと聞いています。

また、「ぱちんこ営業所における更なる依存症対策」については、貴連合会が中心となって、ぱちんこへの依存防止対策の専門員として、「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」を営業所に配置するため、昨年4月から講習会を開催するなど準備を進め、講習修了者は16,000人に達し、昨年12月から正式に運用を開始したと承知しています。

さらに、「本人・家族申告によるアクセス制限の仕組みの拡充・普及」については、自己申告プログラムにおいて、これまで遊技使用上限金額のみとしていた申告対象に遊技時間や遊技回数を追加するとともに、本人の同意がある場合には家族からの申告を受け付けることとするなど、昨年12月から新たな自己申告・家族申告プログラムの運用を開始されたと承知しています。

このように、ぱちんこ業界において、ぱちんこへの依存防止対策に積極的に取り組んでいただいており、私どもとしても大変心強く感じております。

他方、論点整理に掲げられた課題の中には、「業界の取組について評価・提言を行う第三者機関の設置」、「ぱちんこへの依存問題に詳しい専門医等の紹介」等、現在もその実現に向けて検討が進められているものもあると承知しています。

こうした検討中の課題についても、できる限り、早期に対策等を実現できるよう業界において必要な検討を実施していただくようお願いします。

また、昨年12月に関係閣僚会議幹事会において、「家族申告によるアクセス制限の実施について」が申し合わせられたことを踏まえ、ぱちんこへの依存問題から家族を守るという社会的要請に応えるため、本人の同意がない場合についても、家族からの申告を受け付けるよう家族申告プログラムの拡充を図ることについて必要な検討をお願いいたします。

加えて、論点整理には記載されていませんが、児童の車内放置事案防止対策についても、引き続き取組を進めていただくようお願いします。業界では、毎年5月から10月にかけての期間及び年末年始を「子ども事故防止強化期間」として広報啓発を行い、「子どもの車内放置防止対策マニュアル」等に基づいて対策が進められているものと承知しております。

積極的な取組の甲斐もあり、近年は児童の車内放置による死亡事件は認められなかったところでありますが、残念ながら、昨年は、5月に山口県、7月に静岡県で、それぞれ乳児と幼児が死亡する誠に痛ましい事件が発生しました。これら事件の発生に加え、例年数十件もの児童の発見事案が続いていることに鑑みれば、児童の車内放置事案防止対策はその徹底した実施が求められていると考えています。

皆様におかれましては、今一度、対策が形骸化していないか確認していただき、この対策の趣旨を徹底の上、積極的な防止活動を改めてお願いしたいと思います。また、必要に応じて、新たな対策を検討するなど、今後も更なる実効性のある取組をお願いします。

以上、ぱちんこへの依存問題への対策についてお話ししてきました。ぱちんこへの依存問題は、ぱちんこ遊技の負の側面と言われることもありますが、この負の側面から目を背けることなく、問題解決に積極的に取り組むことが業界の社会的責任であることを強く認識していただき、業界全体で真摯に対応していただきたいと思います。

こうした取組の積み重ねが、ぱちんこへの依存問題の解決に寄与し、国民の理解を得るものとなることを期待しております。

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