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ドラッカー理論、二瓶氏が講演/全遊振

投稿日:2017年2月22日 更新日:

全遊振(曽我部康二会長)は2月16日、都内千代田区の貸し会議室・内海で例会セミナーを開催。人間力総研㈱の二瓶正之代表取締役を講師に招き、「経営者が、今、ドラッカーから学びたいこと」の演題で講義が行われた。

二瓶氏は、コンサルティング企業のほか、ホール大手企業2社で採用・教育・営業の責任者を務めたのち、2010年に同社を設立。現在、人間力育成とドラッカー理論の実践を通じて中小企業のサポートに取り組むとともに、ドラッカー勉強会を各地で行っている。

ドラッカーをテーマとする当日の講演では、「ドラッカーのマネジメント理論とはどのようなものか」「ドラッカー理論から経営者が学びたいこと」等を豊富な知識と事例をもとに、集まった業界関係者に講じた。

同氏は、パチンコ業界の現状について「縮小したとはいえ、すごく巨大な産業。ただ異業種から尊敬される経営者が出てこないことがすごく寂しい。尊敬されない一つの要因は50~100年後のビジョンを打ち出せていないからだ」と述べ、パチンコ業界のオーナー、特に30代、40代の若手経営者が経営哲学を持つ必要性があることから日々、勉強会を開いている。

財務を除いた企業経営に関わる全てのマネジメント理論が詰まっているドラッカー理論。同理論は「リーダーシップを発揮すること」を前提に、実践的な各マネジメント体系を作りあげている。

同理論が掲げるマネジメントの課題は3つ。「自らの使命を明確にして、それを実現すること」「自社で働く人に成果を挙げさせ自己実現させること」「社会的責任を果たして社会に貢献すること」で、さらに企業の目的を「顧客の創造」と定義付けている。

この企業の目的を達成するために最大化する必要があるのが「マーケティング」「イノベーション」だと同氏は語る。「大事なのは、この2つをワンセットと捉えること。イノベーションを機能させるにはマーケティングの存在が必要。そうでないと独りよがりになり、もはやイノベーションとは呼べない」(同氏)と説明した。

その後、同氏はドラッカー理論から経営者が学ぶべきこととして3点を挙げた。

まずひとつ目が「ミッションを持つこと」。これについて同氏は、12月24日に世界中の子ども達にクリスマスプレゼントを贈るサンタクロースの仕事を事例に分かりやすく紹介した。

まずサンタクロースのミッションは「子どもに夢を与える」こととし、ミッションを持つサンタクロースと、持たないサンタクロースの仕事ぶりを説明。その上で「同じ仕事をしているが、これを毎年続けるとどうなるか。おそらくミッションを持たないサンタクロースは手抜きをして雑な仕事になっていくだろう。ミッションを持つサンタクロースは回を重ねるごとに仕事のクォリティを上げていく。やる仕事は同じでも両者では見た目では分からないものすごく大きな違いがある」(同氏)と話した。

2点目は「トップマネジメントチームを結成する」こと。この点について同氏は「中小企業の草創期というのは優れた1人の経営者の力で成り立つ、これを否定するわけではないが、必ず企業というのは、1人の経営者の力を超える時がくる。だから中小企業も早めにトップマネジメントチームを結成すべき。チームと言っても2人以上いれば良い。ホール企業でトップマネジメントチームを作って機能させている事例に出会ったことがない」と述べ、トップマネジメントチームの人材の条件として①真摯(誠実)さ②経営者にNOが言える③経営者と違う専門分野を持っていることの3点を挙げた。

同氏は「メンバーを揃えてチームで経営するという考え方に切り替えて頂きたい。ワンマン経営の時代はとうに終わっている。世界を代表する企業は、規模の大小関係なくチームで経営している」と話し、トップマネジメントチーム結成の必要性を述べた。

3点目は、「経営者が人材育成のトップに立つ」こと。同氏は中小企業が生き抜くため最後に使えるものは“人材”と説き、トップ自らが自己成長のための取り組みを続けることが必須であるとした。

同氏は「ドラッカーは、経営者自らが自己成長に取り組むことから自社の人材育成を考えなければならない、この視点を抜かした人材育成は偽物だ」と述べ、経営者自身が人材育成のトップに立つべきだと語った。

1.人間力総研㈱の二瓶正之代表取締役

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