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『遊技日本』

【寄稿】属性グラデーション(WEB版)/POKKA吉田

投稿日:2022年10月26日 更新日:

既存機も同じだが、供給不足がずっと続いている。PS問わないが、遊技機そのものの数が少ないのだ。市場は今やぱちんこ200万台、パチスロ100万台規模にまで縮小してきた。遊技機メーカーは市場の絶対数が急増するような事態にでもならない限り、特に大手メーカーほど販売台数に特化するよりも大成功機種を一つ出すことによって、そこから先しばらくの遊技機販売を確保していく、ということを狙いたくなるものだ。特に抱き合わせみたいなことも供給不足の中では増えている印象もあるが、抱き合わせがなくともホール側から機歴など取引実績を積み上げるために欲しいというケースも増える。それは一度でもその時期のトップ機種を出せば一気に各メーカーの営業担当者は実感するものである。

単純に考えれば「良い機械だけ売ればいい、良くない機械は売らなければ(あるいは作らなければ)いい」と思いたいわけだ。ただ、実際問題、良いか悪いかは事前にわかるものでもない。昨年の牙狼のように始まる前から結果が確定していたという空気になる機種というのは極めて異例である。昨年のガンダムユニコーンも今年のRe:ゼロも、始まる前からあのような評価ではない。

遊技機メーカーの企画開発のフローを考えれば、良い機械だけ売ればいいということは実現がほぼ不可能となる。製造のための調達(それが昨年からとても大変)もあって、ある機種が大成功したとしても他の機種の販売を止めるわけにもいかず、結果、いろんな機種を販売していく。このため特定機種に需要を集中させているはずのホール側は、特定機種以外の機種も想定以上に導入するケースもある。

こういった流れの中、従来型の資金力格差もあって、P機、6.5号機の導入競争に参加せず、ゆっくりと低貸島などをメインに中古市場で設備投資を抑えて、という営業スタイルにしている店も多いわけだ。全日遊連加盟店舗が7,000ちょっとまで減っている以上、そういう店の数は少ないと思いきや、まだまだおそらくたくさんある。すべてがすべて、注目新機種を導入している店だけになるとすれば、この半分でもまだ多いくらいではないだろうか、というのが私のなんとなくの現場感だ。

そのなんとなくの現場感で「積極的に設備投資する」店の中で、今回、スマートパチスロの導入の可否がわかれている。同一チェーン内でも店舗によって可否がはっきりわかれている。こうなると、各店舗ごとの属性の変化というか幅は、かなり拡大しているように感じる。

要するに店舗属性のグラデーションがかなり拡がっており、単純に「イケイケの店」「低貸専門の店」あるいは「大型店」「小型店」というようなはっきりした区分ではなくなってきたわけだ。

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