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【寄稿】病的賭博の入り口にて(WEB版)/大﨑一万発

投稿日:2022年1月31日 更新日:

僕はあくまで遊技としてのパチンコ、玉の動きを追いつつプロセスを楽しむパチンコに魅力を感じ、楽しみ方と勝ち方を追求しながら長らく親しんできました。出玉や収支はその結果についてくるオマケに過ぎず、特に重視するものでもありませんでした。そしてこの、ゼニカネとギャンブル性を二の次に置く一種原理主義的と言えるパチンコ観はもう揺るがない老害思考であるとも諦観していました。いやしかし、軽くそれが崩れつつある。Bモノパチスロにハメられ破綻しかけたあの頃の陶酔感と苦い記憶が蘇りつつある。P機になって確かに出玉総量は抑えられたし、大当り確率下限も319に規制された。しかし、そのレギュレーションの中で、いかに尖らせるか、速く出すかを追求してきたメーカー様の企業努力が実を結んだと言うことですよね。

とにかく連チャン、結果でドン!メーカー様も完全に通常ゲームを捨てにかかってきています。修行の通常時はカスタムしてスマホいじって暇つぶしといてくれよ、本番は右打ちになってからだよ。それが演出の組み方を見ても伝わってきます。これが遊技なのか、あるいは「一時の娯楽に供する物」かと問われたら、主観で申し訳ないけれどいやぁちょっと違うかなって。だって他のギャンブルを嫌いな僕自身が、歴30年を超えた今になってそのギャンブル性に翻弄されていそいそ打ってるわけですもん。

今のパチンコ、さして楽しくないのに気持ち良すぎる! これは由々しき問題かもしれません。ユニコーン打ちたいエヴァ打ちたい刃牙打ちたい! 回らなくたって関係ない! やばいです、思うツボです。さてこの狂気が醒めた時(大人ですからいずれは間違いなく醒めます)、いったいどんな景色が見えてくるのか……。酸いも甘いも100周した経験豊富なパチンカスの僕にも、それはわからない。まあだから、パチンコって面白いんだよなってことだけは間違いありませんが。

■プロフィール
大﨑一万発
パチプロ→『パチンコ必勝ガイド』編集長を経て、現在はフリーのパチンコライター。多数のパチンコメディアに携わるほか、パチンコ関連のアドバイザー、プランナーとしても活動中。オンラインサロン『パチンコ未来ラボ』主宰。

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