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『遊技日本』

【寄稿】ホールのSNS運用(WEB版)/大﨑一万発

投稿日:2021年2月1日 更新日:

パチンコ共和国の住人より②

SNSの活用は、今やホールにとっても欠かせない販促活動のひとつです。情報収集や顧客とのコミュニケーションはもとより、広告宣伝規制下における貴重な集客戦術として、アイドル店員さんや「中の人」の積極的発信が奏功している例も珍しくありません。

ただ、コンプライアンスを第一に運用するなら、即効性ある集客には結びつきにくいのがSNS販促の現実。あくまで目を留めてもらうきっかけであり、イメージアップ戦略と割り切って使う必要がある。それも特定機種や自店に対しての訴求だけではなく、パチンコ・パチスロという遊びと産業全体を盛り上げようぐらいの大きな度量でやらないと、思ってたのと違う結果にもなりかねません。焦れば炎上、狙いすぎてもイタイ、期待した効果が上がらないからと放置するのは無責任……。「ダメ元」含みでじっくり育成する余裕がなければ逆効果にもなるのがSNS運用の怖さです。その発信自体をエンタメとして楽しめるか、不特定多数に向けるに妥当な内容か、看板を背負う覚悟はあるのか、担当者には精査とセンス、そしてインテリジェンスが問われます。着手は容易ですが、意味を持たせて継続していくハードルは相当に高い。誰しもひばりんごやあんこ(※いずれもご存じTwitterの著名ホールアカウント)になれるわけではないのです。安易にSNS始めろとか言う偉い人がいたとしたら、自分のアカウントをバズらせてから言えとキッチリ反論すべきですよね。

ところで、親近感という意味では、中の人の本音が垣間見られる発信にはほっこりさせられることも少なくありませんが、そのさじ加減を見失って、愚痴やら文句を垂れ流すアカウントも散見します。一例を挙げれば、遊技機の新筐体発表の度に話題となる「デコレーション枠」に関して。高い、重い、無駄、中身で勝負しろ等々、SNS上は否定的意見に席巻されます。しかしホールを含めた業界側が、嬉々として新商品に対するネガキャンを展開する意味とは何でしょう? ないですよね? それでいて新台入ったから遊びに来てね〜とか、筋の通らない話です。おためごかし言ってんじゃねーよ、文句つけるなら買うなよ。買ったら言い訳せずに使いこなせよ、出せないのは台じゃなくてお前の店の問題だろと、打ち手の側からしたらゲンナリするだけです。

いや、消費者である客が文句を垂れるのはよくわかるんです。打ち手はとにかく何でも難癖付けたいわけだし、それをかわしつつ転がしつつ商売するのがパチンコ共和国の政治です。だからこそ、サービスを提供する側が乗っかっちゃうのは御法度なんです。いやもしかしたら社会派の皮肉屋を気取ってるつもりかもしれませんが、それは客の心理に寄り添うふりをした責任転嫁であり、言い訳を並べた上でのニセのおもてなしに過ぎない。仮に匿名垢であったとしても、打ち手に公開された場で業界人がそのような発信をするのは、どう考えてもイメージダウンでしかありません。飲食店のアカウントが、今回の食材は品質が良くないからマズいよとか、仕入れが高いから盛りを減らすねとか言うわけもありませんが、不思議なことにパチンコ共和国ではそんな異常な慣習が当たり前となっている……。こういうとこなんですよ、「ちゃんとしようよ」と僕が思うのは。客にお金を遣わせる前からモチベーション下げることを言うような業界って他にないでしょう?

一皮剥けば矛盾と理不尽と黒い地肌がムキ出しになるパチンコでありますから、バレバレであっても建前を言い続ける「正義」はあってしかるべき。そしてその建前に一歩でも近づいていく努力こそが打ち手の心に響く販促につながるのだと僕は思う。タレントやインフルエンサーの真似事をどんだけ発信しても、その場のオモシロで流されてしまうだけです。1年後、2年後のブランディングを考えて使っていますか? 我々、共和国住民からしても為政者(=業界)との距離が縮まるSNSへの取り組みは大歓迎なのですが、なんてのかな、今のままじゃナメられる材料を提供してるだけに見えるんですよね。侮れないよな、ちゃんと考えてるよなこいつらって思わせてこその為政者であり胴元です。ホールアカウントには、積み重ねが実になる、自店の姿勢がしっかり伝わる運用を期待します。

■プロフィール
大﨑一万発
パチプロ→『パチンコ必勝ガイド』編集長を経て、現在はフリーのパチンコライター。多数のパチンコメディアに携わるほか、パチンコ関連のアドバイザー、プランナーとしても活動中。オンラインサロン『パチンコ未来ラボ』主宰。

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