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『遊技日本』

【特別寄稿】2020コロナ禍によるパチンコ業界の展望と、市場および販売台数の予測/鈴木政博

投稿日:2020年6月29日 更新日:

4.市場の設置台数予測と、販売台数予測
まずは(別表1)をご覧いただきたい。これは全国の「遊技機設置台数」の推移だ。昨年までの数年間、パチンコは減少し続け、パチスロは2016年までは増加が続いていたが2017年にはついに減少に転じた。

これを踏まえて、2020年の市場はどのようになるか。まずはパチンコ。これは減少が続いている傾向に変化はないが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響より、既に全国で100店舗近くが、休業要請を受けたまま、再開できずに廃業している。ここ数年は3%程度の減少が続いていたが、今年は5%程度減の243万台程度まで減少すると予測される。

パチスロに関しても、2017年からはほぼ1%程度の減少が続いているが、今年は2%以上減少し、ついに160万台を割り込むのではないかと予測される。

次に(別表2)の店舗数だが、ここ何年も「中小規模店が廃業」して「大型店がオープン」する傾向が続いており、店舗数としては毎年5%程度の減少が続いている。今年は5%以上の減少となり9,100店舗あたりまで減少しそうだ。

最後に(別表3)をご覧いただきたい。これは「遊技機販売台数」の推移だ。パチンコは減少、パチスロも2012年をピークに減少へ転じている。パチンコについては、2009年に約350万台だったものが昨年は113万台と、10年間で何と3分の1未満まで減少した。やはり主な原因は「低玉貸営業」の普及でほぼ新台を導入しない1パチシマが増え続けているのが要因だろう。さらには低玉貸営業で粗利額が減少し、4円についても新台購入資金が確保できなくなっている現状もある。

さて今年のパチンコだが、新型コロナウイルス感染拡大による影響が大きく、2019年の113万台からさらに減少することは確実だろう。旧基準機の経過措置が延長したことも相まって、ついに100万台を切り95万台程度まで落ち込むと予測される。

一方パチスロは、2018年には5号機の多くが認定申請されたことで、大きく伸び悩んだ。昨年は高純増機などの登場もあり新基準機への一定数の入替があったため一昨年からは増加したものの、54万台程度にとどまった。今年も旧基準機の経過措置が延長したことは大きく、45万台程度となる見込みだ。

2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、パチンコ業界にとどまらず世界中の様々な業種で未曾有の事態となった。遊技業界においても、近年にない正念場を迎える年になる。一刻でも早く感染拡大が収まり、日本国民が自由に余暇を楽しめる状況に戻ることを願ってやまない。

(以上)

■ プロフィール
鈴木 政博
≪株式会社 遊技産業研究所 代表取締役≫立命館大学卒業後、ホール経営企業の管理部、コンサル会社へ経て2002年㈱遊技産業研究所に入社。遊技機の新機種情報収集及び分析、遊技機の開発コンサルの他、TV出演・雑誌連載など多数。

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