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【特別寄稿】特措法の問題点と協力金や助成金の制度について/鈴木政博

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2.特措法の問題点と、協力金や助成金の制度
実際に動きが出てくると、さらに問題点が露見してきた。はじめに各自治体から「外出自粛を要請」や「接待を伴う飲食店等への出入りの自粛を強く要請」などの言葉が出てきたが、元々「自粛」とは、広辞苑によれば字のごとく「自分で自分の行いをつつしむこと」とある。「自粛」を「他者から要請する」という、おかしな日本語を各自治体が使わざるを得なかったのは、特措法には「医療施設を開設する場合に強制的に使用できる」点と「必要な物資(マスクなど)の売り渡しを要請し、応じない場合は収用できる」点の2つ以外に「強制力」も「罰則規定」もないためだ。

かなり乱暴な言い方をするならば「国は緊急事態宣言を発出するが、休業要請は知事が出して。ただし、知事は勝手に自由には決めないで」であり、そして「休業要請を出したのは知事だから、休業の協力金を国は出さない。各自治体で検討してくれ」ということだ。特措法の大筋はこれにかなり近い。また根本的な部分として、これらはすべて「命令」でなく「要請」なので、休業に協力しても、それに対応する「補償」については一切、法には書かれていない。

各自治体からの休業要請に応じた場合の「協力金」は各自治体で制定されているが、自治体ごとの格差が非常に大きくなった。東京都では「単一店50万円・複数店100万円」が給付され、しかも「5月7日以降はさらに単一店50万円・複数店100万円」が上乗せ支給される。一方で当初から「協力金はなし」という県も多く、5月7日以降の延長については「なし」の自治体が多い。このやり方では、自治体の財政状況により差が出てしまうのは明らかだ。4月下旬になって、ようやく政府は新たに設ける1兆円の「地方創生臨時交付金」を、協力金の財源として活用しても良いと認めることにしたが、それを合わせても全国で休業要請に応じて休業する店への補償としては、全く足りないだろう。

セーフティネット保証5号も、この5月まではパチンコ店はその対象ではなかった。これは中小企業者の資金繰り支援措置として信用保証協会が一般保証とは別枠で融資額の80%を保証する制度だが、この対象拡大を待つまでに至らず、4月15日には東京都内でパチンコ店「アカダマ」3店舗を運営する株式会社赤玉が、東京地裁へ自己破産を申請。4月30日には、群馬県内でパチンコ店「有楽DELZACC」「有楽JARAZACC」「有楽TAMAZACC」を経営していた有限会社有楽商事が、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。

さらに雇用調整助成金についても「1人1日当たり8,330円としている上限額」については再検討が始められたものの、オンライン申請が不可で各地の窓口が混雑していて申請や相談ができないという声や、提出書類が複雑すぎるとの声も多く、支給実績は低迷している。4月23日時点でのデータでは、相談件数20万1376件に対し、支給決定件数はたったの329件だ。1%どころか0.2%にも届かないほど困難な制度になっている。さらには休業手当を従業員に支払った後に支給される制度だけに「それまで資金が持たない」というケースもある。

実際に、経営破綻はしていなくても店単体として「休業要請に応じている間に結果として廃業したパチンコ店」は把握しているだけで、北海道で3店、東京都で2店、千葉県で2店、埼玉県で2店、茨城県1店、愛知県1店、沖縄県で1店と、破綻した6店を含め20店近くある。

緊急事態宣言が延長された今、すべての業種、すべての店舗が感染拡大の防止に全面的に協力するために、破綻や廃業をきちんと免れるよう、法や給付金がさらに迅速に整備されることが必要だろう。

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