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【特別寄稿】時短機能の緩和と今後のぱちんこ機性能の考察(WEB版)/鈴木政博

投稿日:2020年2月10日 更新日:

昨年12月20日に警察庁生活安全局保安課長名義で「警察庁丁保発第177号」として「技術上の規格解釈基準について(通知)」が発出され、主に時短機能について大幅な緩和があったことは前号で述べた通り。今回は、その後に制定された「日工組内規」の内容もふまえ、どのような遊技機がでてくるのかについて考察してみたい。

1.緩和により「3つの時短発動」が可能に
まずは解釈基準改正により今後開発が可能となった「3つの時短発動条件」について再度まとめてみたい。

時短の発動条件

a 大当たり終了後に開始
b 通常時に、大当たりが規定回数まで発生しなかった場合(規定回数は低確率の2.5倍~3倍)に開始
c 通常時に、特定のハズレ図柄停止で開始
aは今まで通りの時短発動であり、大当たり図柄が通常だった場合に大当たり終了後に発動するもの。bはネーミングは「遊タイム」となりそうだとの話も聞くが、パチスロの天井機能に似た、いわゆる「天井時短」のようなもの。そしてcが特定ハズレ図柄で発動する「突然時短」となっている。

中でもbについてはその到達ゲーム数に規定がある。低確率の分母の「2.5倍~3倍」となっていることから、例えば319.7分の1の機械であれば800回~959回の間で時短発動ゲーム数を設定できることになる。

2.時短回数の「上限100回」が撤廃に
解釈基準改正により「時短回数」の上限100回が撤廃されたが、では実際の上限回数はどうなるのか。こちらについては昨年12月26日付で制定された「日工組内規」で自主規制がなされた。これによると「最も低い設定での低確率分母の3.8倍以下」となっている。

つまり319.7分の1の機械であれば最大時短回数は1,214回となる。この場合、時短中に大当たりする割合は約97.8%なので、2%以上は「時短スルー」という残念な結果もあり得る。

では「一種+二種タイプ」のような機械の場合はどうなるのか。日工組内規で「直撃大当たりがない遊技機の時短回数は最大100回」とされている。右打ち後は二種のみで「小当たり→V入賞→大当たり」となる機械に関しては上限100回だが、その他直撃大当たりもある多くの一種+二種タイプについても、時短は100回程度になりそうだ。

3.時短が重複した場合の処置と、時短スルー後について
今回、新たに3つの時短発動契機が可能となったことにより、複数の時短が「重複」する可能性が出てきた。例えば時短中に「Cの特定ハズレ図柄を引く」場合や、時短中に「bの時短が発動するゲーム数に達する」などが考えられる。この場合の規定としては、日工組内規で「後から引いた時短は無視して重複させないタイプ」か「後から引いた時短と今の時短の残り回数の多い方をとり重複させるタイプ」のどちらかにあらかじめ決めておく、という風になっている。ただし時短の性能に差がある場合は「重複させるタイプ」の場合でも「今の時短の性能を継続させる」という条件が付いている。

では時短スルー後はどうなるのか。例えば「800ゲームで時短発動」という場合で考えてみたい。まず「大当たり終了後100回時短」がスルーした場合、そこから「+700ゲーム」後に800ゲーム目を迎えるので、この場合の実質発動ゲーム数は700ゲームとなる。さらにいえば、例えば800ゲーム目で時短発動したけどスルーしてしまった場合、その後はどうなるのか。その場合は、時短スルー後もゲーム数はクリアせずカウントするので「時短スルー後に再度800ゲーム」を迎えても、その時には時短は発動しない事になる。

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