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【特別寄稿】新規性のある「ぱちんこ機スペック」の考察(WEB版)/鈴木政博

投稿日:2019年11月25日 更新日:

3.「P13日の金曜日」「PA元祖大工の源さん」における2回ループ+時短
次に「確変2回ループ+時短」を実現したソフィア製「P13日の金曜日」と三洋物産製「PA元祖大工の源さん」について考察してみたい。共通している仕組みとして「特図2は100%確変」で、「特図1は100%確変でない(13日は52%・源さんは33.3%)」というV確ST10,000回を採用している点だ。では、どうやって2回ループを実現しているのか。

この2機種は、小当たりRUSH機と同じシステムで「特図1・特図2並行同時変動」を採用している。ただし「小当たりRUSH状態」の作動中はベース100で玉は増えない。さらに電サポ確変もある。

簡単に言えば「増えない小当たりRUSH機」と考えれば良い。つまり電サポ中も小当たりRUSH中も玉は増加しないが「電サポ確変中で100%確変ではない」状態と、「小当たりRUSH中で特図2が回り100%確変」の2状態がある、という事だ。したがって「小当たりRUSH中の大当たりは必ず確変大当たり」となるため、小当たりRUSHに突入する大当たりを引いた時点で「あと2回当たるまで終わらない」ということになる。これが2回ループを実現している仕組みだ。

2回ループ機自体はソフィア製「P花満開」をはじめ過去にも実現された経緯はある。それらは「一種+二種タイプ」で、条件として「特図2は小当たり100%」「小当たり発生で100%V入賞」という機能だった。これなら特図2の保留が点灯した時点で、点灯した保留は全て大当たりとなるため事実上2回以上のループが確定する。ただし、このやり方では「時短」が搭載できない。「確変2回ループ+時短」を実現させている点で、この2機種は新規性があるといえるだろう。

4.「P貞子vs伽椰子 頂上決戦」「Pひぐらしのなく頃に~廻~」について
最後に「一種+二種タイプ」の新たなスペックである藤商事製「P貞子vs伽椰子 頂上決戦」と大一商会製「Pひぐらしのなく頃に~廻~」について考察してみたい。この二つに共通している仕組みは、右打ち中「電サポ中の大当たりは全て電サポ100回付の大当たりとなる」点だ。どちらも最初の大当たりは「時短1回」となっており、この時短1回の1回転目で大当たりした場合は電サポ中の大当たりなので次回は時短100回となるが、2回転目以降は電サポ終了後の大当たりとなるので時短回数は少なくなる、という仕組みだ。

ただし「一種+二種」で「小当たり=V入賞」という性質上、100回時短は事実上「次回大当たり確定」となる。そしてさらにいえば「100回時短中は、ほぼ確実に電サポ中の大当たりとなるので、次もまた100回時短」となる。つまり、一度100回時短を引くと永久連チャン状態となってしまう。

そこで終了条件が必要となるが、「貞子vs伽椰子」では3回リミッターを搭載、「ひぐらしのなく頃に」では上記「烈火の炎3」で述べた「特定小当たりで電サポ終了」という仕組みを採用している。

小当たりRUSH機以降、内規の65%規制撤廃の効果もあり、2回以上のループ機や特定小当たりでの終了など様々な機種の登場が見られてきた。今後の新たなぱちんこ遊技機に大いに期待したい。

■プロフィール
鈴木 政博
≪株式会社 遊技産業研究所 代表取締役≫立命館大学卒業後、ホール経営企業の管理部、コンサル会社へ経て2002年㈱遊技産業研究所に入社。遊技機の新機種情報収集及び分析、遊技機の開発コンサルの他、TV出演・雑誌連載など多数。
Mail:msuzuki_u3ken@ybb.ne.jp

※本稿は過去に本誌に掲載した記事を、一部、WEBサイト用に編集した上で掲載しております。

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