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【特別寄稿】パチスロ6.0号機の現状と今後の展望(WEB版 後篇)/鈴木政博

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前篇でパチスロ6.0号機の適合率に若干の改善の傾向が見られてきたと書いたものの、8月のパチスロは結果書交付71型式のうち適合が16型式で適合率は22.5%、9月はパチスロ結果書交付67型式のうち適合が13型式で適合率は19.4%と、二か月連続でふたたび落ち込んでいる。適合率改善が遅々として進まないが、今回は今後のパチスロ遊技機性能について、特に過去に適合した高純増機の適合対策について考察してみたい。

1.出玉率上限を超える高純増機
前回で述べた通り、6号機の純増枚数については「自主規制は撤廃」されたものの「型式試験上は上限値がある」と書いた。AT機に関係する具体的な目安でいえば「400Gで純増3.11枚を超えたら不適合」と「1,600Gで純増1.29枚を超えたら不適合」の2つだ。これは「400Gの出玉率上限220%」と「1,600Gの出玉率上限150%」の基準を超えてしまう出方を1Gあたりの純増として計算した数値だ。

しかし、過去に適合し設置されている6号機が全て上記基準内の出方をしているかといえば、もちろんそうではない機種も存在する。具体的には「純増が3.2枚以上あるにもかかわらず、2400枚リミッターまで高純増のまま出続ける」といった機種だ。では、これらはなぜ型式試験に適合したのか。

一つだけ確かなことは「型式試験中には出玉率上限を超える出方は一度もなかった」という事だ。例えば「純増8枚で減る区間もなく2400枚まで純増8枚で完走する事がある機種」を想定してみる。前号で書いた通り、純増8枚の場合は「180G程度」が上限値となる。つまり「180Gが純増8枚AT、220Gが通常時で50枚ベース50G」だと、合算でその400Gは出玉率上限値の220%以下となる、という事だ。したがって裏を返せば「型式試験中は、どの400Gを切り取ってみてもATが180Gを超えて出続けることはなかった」という事だ。

これについては二つの可能性が考えられる。一つ目は「たまたま型式試験中に出なかった」という事例だ。型式試験では通常「5台を、設定ごとに、17,500G回す」試験をする。5台とも6段階設定すべてを試した場合、525,000Gという膨大なデータになるが、そのどこを切り取っても「400Gで220%を超えることはなかった」という可能性は、なかなか難易度が高いとはいえ「絶対にありえない事」ではない。うがった見方をすれば、現状の適合率の低さは「一度や二度の持ち込みではなかなか適合しないスペックを、何度も持ち込んでいるから」と見る事も出来る。

そしてもう一つは「何らかの適合対策をしている」という可能性だ。こちらについて考えてみたい。

2.型式試験対策について
まずは型式試験の種類をおさらいしたい。「シミュレーション試験」と「実射試験」だ。まずはシミュレーション試験について。前篇でも記載した通り、AT機には「増えも減りもしないボーナス」が存在する。そしてシミュレーション試験では簡単に言えば「ボーナスを引いたらボーナス、それ以外は最も枚数の多い小役を獲得したと仮定する試験」をするので、AT機の場合、通常時は押し順正解の最大枚数ベルを毎回取られるものの「ボーナスフラグを引く→ボーナス中(増えも減りもしない)→またボーナスを引く」を繰り返すので、出玉率はほぼ115%以下で安定するようになる。したがってAT機の場合、シミュレーション試験は比較的、適合させやすい。

問題は実射試験だ。こちらは出玉率の下限を見る「順押しならAT中もずっと順押し」といった打ち方と、もう一つ上限を見るための「最も出玉率の高くなる打ち方」が試されていると推察できる。
この「最も出玉率の高くなる打ち方」がキーポイントとなる。通常「最も出玉率の高くなる打ち方」はメーカーが試験時に申請し、その打ち方をする「自動打ち機」を合わせて納品するのが通例となっている。ではこの「最も出玉率の高くなる打ち方」とは、どのように解釈されるか。これは「17,500Gを遊技した場合の出玉率」だと考えられている。ここが重要で、ヒントになり得る点だ。「何らかの適合対策をしている」という可能性については、この部分が絡んでいる可能性が考えられる。

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