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【特別寄稿】パチスロ6.0号機の現状と今後の展望(WEB版 前篇)/鈴木政博

投稿日:2019年9月16日 更新日:

パチスロ6.0号機の適合率が、ここにきて若干ではあるが改善の傾向が見られてきた。ただし5号機の残る現市場においてその性能面で比較すると厳しいことには変わりがない。今回は(前篇)として、その現状と今後のパチスロ遊技機性能について、まずはベースや下限値について考察してみたい。

1.型式試験の適合率
まずは(別表1)をご覧いただきたい。これは保通協が公表している「型式試験実施状況・申請書受理状況」をまとめたものだ。昨年前半は5.9号機の駆け込み申請分も含まれると思われるため、昨年後半以降のものを抜粋し、その適合率を追加掲載している。


これを見ると、昨年7月は10%台前半だった適合率が昨年9月には20%台になっているものの、この頃については「型式試験の状況をさぐる」といった意味での持ち込みもあり、本来の意味での「売り物」になる性能とは限らないものも含まれると考えられる。したがって、売り物になるパチスロの申請が中心の今年1月・2月には再度、適合率が10%台に低迷した。しかしこの7月、適合率が27.4%と最近では高水準の数値となり、改善の流れを見せている。では今後のパチスロ性能は、どのようになっていくのだろか。

2.主流のAT機について
ここで試験対策の前に、現在主流の「AT機」についておさらいをしてみたい。なぜAT機が主流になっているのかといえば、それは「出玉の固まりを作りやすい」からに他ならない。これは、パチンコでは大当たりが連続する「確率変動」が認められているが、パチスロにはそれが無いためだ。パチスロでは、いわゆる「レギュラーボーナス」が確率変動して連続するのが「ビッグボーナス」であるため、そのビッグボーナス自体がさらに連続する確変は認められない、という解釈になっているのがその理由だ。したがって現状では、ボーナスの出玉をつなげるには、パチンコの時短に近い「RT」を使うしかない。

ではAT機とは何かというと、一言でいえば「ずっと通常時」という機種になる。通常時から高確率で小役フラグが成立しているものの、通常時は「どの小役が成立しているか分からないと取りこぼす」が、AT中は「ナビで成立小役を教えてくれるので取りこぼさない」という仕組みだ。2000年5月に発売されたサミーの4号機「ゲゲゲの鬼太郎SP」が初のAT機で、この時に「アシストタイム」と名付けられていた事から現在もその略称のATと呼ばれている。この機種自体は、ナビに従うと「現状維持で減らなくなる」だけだったが、翌年同社から「獣王」が発売。ナビに従うと増える仕様が登場し社会現象にまでなった。

ナビを出すか出さないか、だけなので、あくまで演出面であり、メインでの抽選は関係なく「サブ基板」のみで制御できた。したがって自由に「ナビ開始」「ナビ終了」をコントロールできることから「出玉の固まり」も容易に作れる。これがAT機の始まりだ。

しかし各社が続々とAT機を発売し、その行き過ぎた射幸性が問題視されるようになると「改正規則」が2004年7月に施行、5号機時代に突入する。ここで「シミュレーション試験」が導入され、一旦はAT機時代が終焉する。このシミュレーション試験は「成立したフラグを全て揃えたと仮定する試験」だ。したがって、通常時から高確率で小役が成立しているAT機は、試験中は全て最大小役を取られるため必ず上限値を超えてしまう。よってAT機は一時的に封じられた。事実上不可能と考えられていたAT機復活のきっかけになったのが「増えないボーナス」の搭載だ。2011年にエレコが「エージェントクライシス」を発売。「増えも減りもしないボーナス」を搭載することにより、シミュレーション試験では「成立したボーナスを入賞→ボーナス消化」を繰り返すため大半はボーナス中で通常時はあまりない。このシミュレーション試験の上限を超えない手法の登場で、AT機が復活し、その流れが現在でも続いている。

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