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【コラム】「みんなのパチンコフェス」にみる製造メーカーの表裏とは

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ぱちんこ開発者の独り言74
ぱちんこメーカーの組合である日工組が主催となり、2月23日24日の土日の両日、秋葉原にて「みんなのパチンコフェス」が開催され、2日間で合計7,535名の一般来場者を集めたことは当サイトでもニュースになったのでご覧になった方も多いだろう。

詳細は上記のリンク先をご確認いただくとして、初日のオープニングセレモニーにて日工組の筒井理事長は「ホールに新規則機を届けることができ、ファンに楽しんでいただける状況が整いつつある。しかし十分な状況とは言えず、このような場を設けた。(中略)依存問題の取り組みにも対応し、安心して遊べる遊技機環境を整えていきたい。(中略)」と趣旨を述べられたそうだ。

当日は、1階のステージフロアでは各メーカーにゆかりのあるタレント等を呼んで様々なイベントを開催。2階の連れパチフロアでは、ぱちんこ初心者向けのフロアとして、ホールスタッフや人気ライターがぱちんこの遊び方について優しくレクチャーするなど、ぱちんこ未経験者でも楽しめる構成であり、地下1階の試打フロアでは、ぱちんこメーカー19社が、最新機種や話題機種など合計114台を設置した大半がホール未導入機種であったため、大きな注目も集めた。

上記のリンク先に、当日設置された遊技機一覧が記載されているが、ホールに導入されていない機械だけではなく、まだ発表すらされていない機械も数多く設置されており、一部メーカーの遊技機は、当該営業担当マンすら見たことがない機械が並んでいたらしく、当イベントで初めて見た。と発言したメーカー営業マンも存在した。

また、特に話題を集めたのが、コンテンツ力が強くぱちんこを普段打たないユーザーを多く集めた大一商会の「PA怪盗おそ松さん」、奥村遊機のシリーズ機で豊丸産業のローズテイルシリーズと(何故か)タイアップした「華牌R~猿渡翔がローズテイルにやってきた~」の2機種は特に注目度が高かったようだ。

日工組として、ぱちんこ未経験ユーザーからヘビーユーザーまで楽しめるイベントで、大いに意味があるイベントであったと思う一方、昨今問題として挙がっている「ギャンブル等依存症問題」についての言及が殆どなかったことについて、いささか残念でもある。

筒井理事長は冒頭の挨拶にて「依存問題の取り組みにも対応」と発言されているが、射幸性の高低が依存問題とイコールになっていると断定できない以上、新基準機においても、依存問題について積極的に取り組むべき事案であるのは間違いない。

アルコール依存問題を抱える酒造メーカーは、お酒の楽しみ方を発信する一方で、アルコール依存に対しての注意喚起を自社のHPでも積極的に行い発信している。

(宝酒造HP:https://www.takarashuzo.co.jp/saynoweb/

遊技機製造メーカーとして、広く一般ユーザーへ向けてぱちんこの楽しみ方を発信するのは、非常に前向きで取り組むべき試みであると思うのだが、その一方、同時に依存症問題についても警鐘を鳴らすべきであると考える。

「業界としてリカバリーサポートネットワークを支援しているから依存症問題はそちらに任せてある」「遊技機は依存問題にも対応している」だけではなく、むしろメーカーとしても積極的に発信を行い、プラスとマイナスの面をしっかりと告知をすることで、ユーザーの信頼を勝ち取るようにしてほしいと切に願う。

■プロフィール
荒井 孝太
株式会社チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(http://chancemate.jp/)を設立。
パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。

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