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【コラム】2018年の遊技機開発事情

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ぱちんこ開発者の独り言㉟
1回目の当コラムにおいて、現段階(※2017年10月時点)においては新規則ぱちんこ機の開発に本腰を入れることができない状態であるという話をした。

今年の2月に規則改正が行われ、既に数社から新規則ぱちんこ機が適合を受けたという情報が複数出回っているが、当初の予想通り、本格的な新規則機ではなく、従来ある機械を新規則対応したものや、設定をとりあえず実装してみたレベルのものなどしか適合していない。

新規則機として最も早くリリースされるのは豊丸産業の「PAナナシーDXⅡ 88GO」だが、設定は搭載されていない。しかし、性能表示モニタは当然のことながら搭載されており、新規則機第1弾であるのは間違いないだろう。今適合を受けている機械は、設定がついていたとしても概ねそのようなレベルであると認識していただいて相違ない。

そのような状況での新規則機開発であるが、徐々に各メーカーとも開発に動き出してはいるが、そこまで活発に動いているわけではない。旧規則内で適合を受けた遊技機は、規則改正施行に伴う経過措置により、最大2021年1月末まで設置することが可能だ。そのため、手持ちの旧基準機の販売を断続的に行うことや、認定機等が多数残っている状況下においては、ホール側の需要がそこまで発生しないであろうことを見越し、新規則機開発に触手が伸びないメーカーが少なくない。

昨年は殆どのメーカーが、ほぼ全ての開発ラインを一時中断という事態が頻発しており、今の時期になっても再開の目途が立たないプロジェクトが少なからず各社においてあるようだ。そのような状況下のため、遊技機メーカーから仕事を受託している所謂、下請け開発会社が悲鳴を上げている。

下請けの開発会社は、遊技機メーカーに比べて小規模なところが多い。また、遊技機開発はプログラマーやデザイナーなどの技術者を多く雇用し、開発製作を行う労働集約型産業の側面が強く、開発がストップになると、当然のことながらメーカーからは開発費もストップになるため、技術者を多く抱える下請け会社が遊技機開発ではなく、ゲーム開発の方に注力したり事業転換を計ったりしていた。

そのため、特に優秀であればこそ、他業界の開発案件においても実績を出せることが多く、その上、先行き不透明な業界における不安感も相まって優秀な技術者の流出が激しいのが現状である。

遊技機メーカー側は、昨今の業界市場動向や、旧基準機や認定機が多く残っている状況下において、高コスト開発を一旦見直し、コスト削減に勤しんでいる。当然のことながら、下請け開発会社に提示する開発金額も、以前よりも低くなることはあったとしても高くなることは無い。そうなると、他業界でも実績を出せる技術者(あるいは会社ごと)は益々流出していくことが予想され、レベルの低い技術者しか残らなくなる。結果としてリテイクや修正が多くなり、同じクオリティの遊技機を開発するために、以前よりも高コストになっていく。

必要なところには適正な費用を支払い、結果の出せない技術者にはご退席願うだけで多くのことが好転するにも関わらず、未だ、必要な筋肉をそぎ落とし、不必要なぜい肉だけを残すようなやり方をしている遊技機開発は少なくないため、今一度、精査を行い、ぜい肉を見直し、筋力アップに勤しむことで、結果として業界が良くなる方向へ舵が切れるであろう。

■プロフィール
荒井 孝太
株式会社チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(http://chancemate.jp/)を設立。
パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。

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