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低ベース機の高粗利運用を懸念/未来研究会セミナー

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遊技産業未来研究所は10月23日、都内墨田区のグローリーナスカ会議室にて「未来研究会セミナー」を開催した。セミナーの講師は、PRCの中田藤生代表取締役(チャーリー・ロドリゲス・湯谷)、ソニー生命保険のトータルライフコンサルタント・猪野塚伊彦氏、遊技産業未来研究所の中野忠文代表取締役が務め、今後の経営課題や低ベース機の運用状況が語られた。

第1部で中田氏は、高射幸性パチスロ機撤去後の営業戦略、MNRSなど射幸性を理解した上での機械運用、ペルソナ像に合わせた業態転化など、将来の稼働増に繋げる為の経営戦略を説いた。中田氏は、高射幸性パチスロ機の撤去後によって生まれる負のスパイラルに強い危機感を示し、「撤去後に残されたパチスロ機の設定配分を落とし、パチンコで利益をカバーしようとするものならユーザー離れが加速するだけ。これと同様の営業をするのではなく、今こそ自店の独自性を打ち出す必要がありそのタイムリミットがすぐそこに来ている。これは他店と差別化する絶好のチャンスでもある」などと述べ、さらに魅力的な店舗を目指す上での必要な事として、「ペルソナ像の設定」「根拠ある機械選択」「プロスペクト理論に基づいた機械運用」を挙げた。

機械選択については、「Pツインループ花満開」などMNRSが高い機種を例にし、「MNRSの数値はレイアウトにも活かせる台選びのポイント。把握することで他機種とも比較しやすく、『MNRS×交換率×運用方法』のバランスが整っているほどユーザーの期待感にも結び付き、自店の魅力へも繋がってくるだろう」とし、最後に「高稼働を維持する店舗は、コミュニケーションなど日々の営業努力を積み重ねた結果。勝ちの経験を提供するためのその姿勢が今問われている事を理解して欲しい」とまとめた。

第2部では、猪野塚氏が「組織改革とライフプラン」をテーマに講演。他業種でも顕著化されてきた働き方改革と労働環境のギャップを改善するために、働く目的や人生のビジョンを見据えた人材育成を提案。目的を遂げる為に目標を達成するという意識改革が必要だと話し、この他100年時代を豊かにするための資産運用や、老後2,000万円問題について解説した。

第3部で中野氏は、8月~9月のスペック別稼働推移や導入週の玉粗利を示した上で、定番となるべき注目機ほど辛く扱われている現状を指摘。「新規則機の普及という目的に逆行し、ファンからも打つだけ損だと思われる運用を続けるのは危険。適正の数値で運用していればキラーコンテンツは活かせるのに育てる気すら感じられず、なかにはBA70で使われる新台もあるなど将来に不安を感じる状況。新規則機を慣らす必要がある今、機種データを把握した上での運用は必須だ」と警鐘を鳴らした。

また、低ベース機についても言及。3個賞球機ついては、4個賞球機比でベース3~7程度、千円スタートは0.5~2.4円程度低下し、TYは210~280個程度上昇した市場数値や、3個賞球機と同レベルのベースで運用された1個賞球機の稼働粗利推移を公表。1個賞球機に限っては、ベースが低いことを「多く抜ける」ことにしか活かされていない事実が如実に表れた結果となった。中野氏は「確かに新規則機は出玉性能が低下しているものの、それ以上に辛い運用が商品価値を落としている。数年後へ繋げるためには新基準機の魅力を引き出し、旧台の撤去後も足を運んでもらえる店舗作りで、機械の魅力を運用側で高めていくことは十分に可能。新規則機でも生き残れる体制を確立するべき」と新規則機の新たな利益構造への移行を促した。

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