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【PICK UP】「新しいぱちんこ遊技機の活かし方」/PCSAパネルディスカッション

投稿日:2016年3月29日 更新日:

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2月19日開催のPCSA公開経営勉強会での「新しいぱちんこ遊技機の活かし方」をテーマとするパネルディスカッションの模様をお伝えする。出演者は下記の通り。内容は、未来のパチンコ機に求めることや現行機種の問題点、新基準機及び高ベース仕様についてなど。ホール、メーカー双方の立場で意見が交わされた。なお本稿はPCSA作成の公開経営勉強会の発言録を元に作成した。掲載の都合上、内容を一部編集していること予めご了承頂きたい。

コーディネーター
・藤田 宏 氏
(PCSA調査研究・経営分野アドバイザー/㈱エンビズ総研 代表取締役社長)

パネラー
・渡辺 圭市 氏
(日工組 技術担当理事)

・山口 孝穂 氏
(日工組・技術委員会委員長/京楽産業.㈱ 取締役開発担当)

・大石 明徳 氏
(PCSA副代表理事/㈱ニラク 取締役管理部門担当役員 経営企画室長)

・荒籾 伸一 氏
(PCSA理事/㈱ボネール AM事業部長)

藤田:それではパネルディスカッションを始めさせていただきます。よろしくお願いします。第1部では渡辺さんから「新しいぱちんこ遊技機はどのようなものか?」というテーマでお話し頂きました。新しく作ろうとしている新基準規則の中で、このようなものがあるんじゃないかと結構具体的な話が出たと思います。

第2部では「新しいぱちんこ遊技機の活かし方」。将来的に規則改正があった部分を含めますが、安心できる遊技機と言われているものをどう生かしていくのか。高射幸機を外していかなければいけない中で、射幸性の低い、といいますか、そこそこの射幸性の機械を中心に、今後どうやってファンを増やしていくかというテーマでお話をしていきたいと思います。パネラーの皆さん、よろしくお願いします。

それでは山口さんから、気になっている事がありましたら一言触れて、自己紹介をいただきたいと思います。

山口:日工組技術委員会の委員長を務めております山口と申します。京楽産業.で開発を担当しております。今日はよろしくお願いします。今、日工組では低ベースを打開していかなければいけないという事で取り組んでおります。この4月から、理事長も申しておりますが、安心して使っていただける遊技機というのはどういうものかという事を具体的に技術委員会で検討しながら、お客様に届けていけるように鋭意努力しながら頑張ってやっておりますのでよろしくお願いします。

藤田:ありがとうございます。続きまして大石さんよろしくお願いします。

大石:PCSAの副代表理事を務めております大石でございます。㈱ニラクの取締役をやっております。今日はどうなるのかわかりませんが、ホールサイドとして一番気になるのは補償の問題とか時期の問題とかになるんですが、あまりその辺のミクロの議論になると面白くなくなると思いますので、できれば大きな問題で議論していきたいと思います。

藤田:ありがとうございます。続いて荒籾さんよろしくお願いします。

荒籾:PCSAの理事をさせていただいております荒籾と申します。よろしくお願いします。この業界に飛び込みこまして今年で早25年が経ちました。ボネールという会社に入社して今年20年目を迎えました。営業部長という肩書もあり、大阪で4店舗を見ていますので、実際のマーケットの数字などもご紹介させていただきながら、皆さんと一緒にこれからどうしていったらいいのかという事をテーマに話していけたらいいなと考えております。よろしくお願いいたします。

藤田:よろしくお願いします。大石さんから話もありましたが、直近のどうしていかなきゃいけないという結構生臭い話もいっぱいあるかと思います。今回、非常に大変な時期ではありますが、逆にいいチャンスでもあるんじゃないかと。強い射幸性、ギャンブル化してきたパチンコがもう1回娯楽に戻って、多くの参加者を引き込めるような遊びに戻れるキッカケと思っておりますので、そのチャンスがどんなところにあるのか、あるいはそれをやっていくためにはどんなことをやって、業界として耐えていかなければならないのか、という面で話をしていきたいと思います。

まず、遊技機を使う側の立場から、荒籾さん、大石さんに伺います。こんな遊技機があればいいなというのを、非常に漠然とした質問ですが、今の色々な法律や規則をあえて無視した形で、どんなものがいいのでしょうか。

大石:具体的には正直ノーアイデアです。ただ、今の機械は1種が主流で、その中でも品目が1種類しかありません。例えばコンビニで言うとおにぎりの梅干しが売れるから全部梅干しにしちゃえと、そんな売り場になっております。多種多様な機械が出てこないと何とも言えず、具体的にどういう機械がいいのかは中々難しいところです。

いずれにせよ多種多様な機械が、いろいろな価格の設定の中であるのが望ましいし、これを機会にそういう風にするのが望ましいのではないでしょうか。

藤田:今言った価格の設定というのは遊技台の機械そのものの値段が高いのもあれば安いのもあると。

大石:違います。今お客さんにとって最も分かりづらいのは、この機械が初当りまでに一体いくらかかるのかという事。小売でもなんでもプライスタグがあっていくらかわかるんですが、それが分からないので、先ほどおっしゃったように、この機械は2時間で消費金額が最高でも2,000円くらいですよと。価格がよく分かるようにした方がいいかなと思います。

藤田:分かりました。荒籾さんいかがでしょうか?

荒籾: 30年前にパチンコをやり始めた時はまだフィーバーが出てなくて、平和さんのゼロタイガーがちょうど出てきた時です。今の機械は全部数字が揃わないと大当たりしないような内容ですが、30年前、ちょうどやり始めた頃の機械というのは色々な種類がありました。権利物、羽根物とバラエティ豊かで、しかも1時間に2,000円くらいで、どの台を打っても遊べるような内容でした。先ほど2時間というキーワードが出てきましたが、2時間で5~6,000円で楽しめるような様々な機械があったらいいなと率直に感じております。

藤田:2時間ですね、ひとつのキーワード。このあと2時間というひとつのキーワードが出て来るかと思いますが、山口さん、日工組の技術委員長という立場もあるでしょうが、今まで開発をやってこられた、いち開発者という立場としてでも結構ですので、こんな機械を作ってみたいとか、こんな機械を作ったらきっと喜ばれるだろうな、というのがあったらお願いします。

山口:法的な部分はさっぴいてよろしいという事で。今はほとんど図柄を揃える遊びになっています。最近、電車に乗っているとスマホで一生懸命ゲームをしている方が非常に多い。お金がもらえる訳でもないのになんで流行るんだろうと思ったとき、人間というのは単なる抽選ではなくて、何かをやった時の達成感とかが、ゲームを遊びたいというものになるのかなと。

そう思った時に、パチンコには技術介入の余地がある、余地が無ければ遊技と言わない。今、各メーカーが押しボタンとかタッチとかありますが、全く大当たりなどに関連していない。あまり技術介入オンリーになると新しい人に遊んでもらえないんですが、そういうものがおまけでついて来るとか、本来16ラウンドのところ、うまく当てるとアンコールでもう1ラウンド引きますよとか、そういう風な技術の介入の余地が入ってくると、何か達成感とかが出てくるのではないかなと。

ラスベガスと(パチンコを)比べるのはよくないのかもしれませんが、あちらはカジノですのであくまで抽選ゲーム。でもその中に少しずつスキルゲームが入ってきている。どちらかというとそちらの人気が出てきている事を考えると、実際に抽選に近い状態なんですが、そういう遊びの部分が入ってくると、新しいお客さんに来て頂いたり、別な遊びの部分ができるんじゃないかなと。出来ればそういうものが作れると面白いなと思っております。

藤田:今言われたような機械を作る上で、阻害要因はあるんでしょうか?

山口:技術上の規格、規則に合わない部分が多く、なかなか難しいと思っております。

藤田:そこは、今後の規則改正の中でクリアしていけば実現可能になるものなのですか?

山口:具体的にひとつひとつの事を要望してあるとは理解していないんですが、渡辺さんが言われた、玉が入って大当たりになるということであれば、ここに入るとおまけのラウンドとか、そういう事もやれたらいいなと思っています。

藤田:渡辺さん、こんな機械があればというのは?

渡辺:今の立場で具体的にどうのこうのという機械は持っていないです。昔は一般機があって、2種が出てきて3種が出てきて、それでも4,000発を取ったら打ち止めだった。要は4,000発を取るにはどうしたらいいのか。そこから1種の大量出玉があり、規制があって1種(だけ)になっただけですので、ちょっと1種の人気時期が長いと思っています。

ただし、昔がいいと言いますが、昔の機械は受けないと思っている。1種、2種、3種と俗に言いますが、新しいものを何か考えないとダメ。苦しい時は何度もあったんですが、チューリップというものが歴史からいうと出てきて、また、テレビゲームと対抗した時に2種が出てきた。もっというと超電役とかあるんですが、そこに1種が出てきたので今度は規則が絡むか絡まないか分からないんですが、新しい種別のものを出していけば1種も伸びるし2種も伸びるし、新しい形を考えたい。

藤田:前回PCSAの会に来ていただいた時に言われたと思いますが、同じゲーム性だと段々射幸性が高くなって、やばいかなという時に技術革新が行われてぐっと射幸性が落ちていくというのを今まで繰り返して、どうにかこの業界伸びてきたという意味では、先ほど言われたように1種という技術革新の後、次の技術革新が長すぎるという事でしょうか?それを変えるようなもののために、規則改正を目指して近いところまで来ていると判断していいでしょうか?

渡辺:だめ。そこの時期は言わない。僕が決める事じゃない。

藤田:山口さん、メーカー側の立場で新しいものが出来そうでしょうか?

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